yigarashiのブログ

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スキルマップに採用する予定の技術も書いてみている

スキルマップとは

スキルマップは、チームで使っている技術を各メンバーがどのくらい習得しているかを集計したものです。スプレッドシートで表を書いてメンテナンスしているチームが多いのではないかと思います。このアクティビティのメリットは以下のようなものがあります。

  • チームで属人化している領域を可視化できる
  • チームが使っている技術を一覧する機会になる
  • 各メンバーの能力開発の資料になる

スキルマップはいまつかっている技術を一覧するのが一般的ですが、今回はそこに未来の話も混ぜてみているという話です。

問題意識

こうした発想に至る問題意識は大きく分けてふたつあります。

ひとつは、いま使っている技術だけを見ていると、メンバーのスキルビルドの道筋が難しいことが挙げられます。特に長く運用されているサービスでは、どうしても技術の新陳代謝のスピードに限界があり、スキルマップに一世代前の技術が並んでしまうことが多いと思います(わたしのチームではそうです)。そうした技術のみを対象にモチベーションを上げていくのは難しいですし、メンバーのキャリアの観点でも習得のメリットが小さいです。一方で、スキルマップを気にせず自分が好きな技術を勉強しようと言ってうまく進められる人もそれほど多くありません。仕事とキャリア観点でのスキルビルドのモチベーションを近づけていきたいものです。

もうひとつは、新しい技術を取り入れていくにしても、チームに詳しい人がいないと話が進まないということです。世間的なデファクトの変化や会社レベルでの標準化といった力によって、「〇〇を廃止してXXを導入するぞ!」という気運が生まれることはよくありますが、誰も新しいほうの技術のことを知らなければ、本当に導入できるのか、導入して効果があるのか判断することすら困難です。本気でやるならチームでしっかり学習の時間を取るのが正道とは思いますが、最初から詳しい人がいる方が当然スピードは出ます。

本題

こうした問題意識から、スキルマップに採用する予定の技術も書いてみることにしました。記述する項目は、会社全体の流れや世の中での普及具合を踏まえて確度の高い数個に絞りました。いまのところ、一度スキルマップを埋めてみて、未来のコーナーで×とか△ばっかりつくのを見てみんなでケラケラ笑ったくらいなので、明確な成果がある施策というわけではないのですが、自分のロールとして発すべきメッセージを伝える機会にはなったのでじわじわ効くと良いなと思っています。

メンターとしては、向上心だけがあって何をしたら良いかわからない時のネタを伝えることができました。意外とこういうところで苦しんで迷走する人はいる印象なので、何か助けになれば良いなと思います。

テックリードとしては、各項目の説明を通してシステムの未来像を語ったり、全社の戦略を代弁することができました。例えば、この技術はこういうもので〇〇のコンポーネントを置き換えると改善するはず……とか、いま全社横断でこういう取り組みが進んでいて、この技術を使うとそれに相乗りできてレバレッジが効くんですとか、そういった話です。こういう話をする場をわざわざ持つのは意外と難しいので、面白い機会だったと思います。そうした話をきっかけに中長期的に詳しい人が増えたら儲け物です(もちろん自分でも勉強しますが……)。

そんなにコストのかかる施策ではないですし、雑談のネタになって面白いと思うので良かったらお試しください。