yigarashiのブログ

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「 ITエンジニア採用入門」を読んで採用活動の全体像を学ぶ

最近エンジニア採用に関わる機会が増えました。エンジニアリングマネージャーとして、採用プロセス全体を機能させチームを組成する能力を獲得したいと考えており、その足掛かりとして面接官の役割を積極的にアサインしてもらっています。それなりの件数をこなして学ぶ土台ができてきた感触があるので、このあたりでエンジニア採用の全体像を学ぼうと考えました。

採用に関する書籍は数多くあり、どれを自分の教科書とするか迷いましたが、以前見つけてブックマークしていたITエンジニア採用入門がよさそうに見えました。自分が関わる採用市場とかなり近い文脈で、具体的な情報がエンジニアの目線から簡潔にまとめられています。全体像を学びたい自分にうってつけの資料です。これが無料で読めるのは本当にありがたいことで著者の方には頭が上がりません。

主要な学び

EVPとアトラク

ITエンジニアの採用は競争が激しく、採用プロセス全体を通して「自社を選んでもらう」ことが重要になります。そのために自社特有の価値(EVP, Employy Value Proposition)をよく整理し伝えることが重要です。また、候補者の動機づけ要因や衛生要因をよく把握し、そこと自社のマッチングの様子を真摯に伝えることも重要になります。自分はこれまでハードスキルとソフトスキルを掘り下げることにフォーカスしすぎており、こうした部分が疎かであったと感じます。マッチングやアトラクトに関する部分を選考の後ろの方にまとめ、選考結果に影響しないことを明示してリラックスして実施するテクニックも紹介されており、これはぜひ実践してみたいと思いました。

採用プロセスを改善する時の考え方

今回のインプットで、採用改善の大きな前提として採用計画が存在することを強く認識しました。際限なくスループットを上げて多くの人を採用するのが必ずしも良いわけではなく、あくまで事業計画とセットで考えるべきだということです。とはいえ競争の激しさを考えると、採用数の目標を達成するのが簡単ということは滅多にない気もしますが、とにかく採用計画ありきで、量的な改善なのか、質的な改善なのか、いまどれくらいの頑張りが必要なのかといったことを考えるのが良いだろうと認識しました。

また質と量のバランスについても特徴があるように感じました。組織もプロダクトも人が形作るもので、採用においては質の面での妥協が致命傷になりかねません。本当に来て欲しい人に来てもらえるハイクオリティな採用活動を維持しつつ、徐々にスループットを上げていくような、丁寧な改善活動が重要と思います。

エンジニア組織の活動に対する解像度の向上

採用広報の観点で、エンジニア組織がどういった活動をするかは非常に重要になります。エンジニアブログや、セミナー、登壇時の費用補助などさまざまな施策が自社に存在することは知っていましたが、採用への解像度が上がることで、それらの活動に対する解像度も上がったように感じます。たとえば、採用したいペルソナから逆算して、いま組織から足りていないのはどういう種類の発信かといった切り口で考えられるようになりました。もちろん種々の活動の目的は採用だけではないので、広い視野で考えることが前提となりますが、長期目線でどういう力学を作っていくのかを考えるきっかけにはなりそうです。

まとめ

「 ITエンジニア採用入門」を読んで得た主要な学びを整理しました。本記事では特に自分の思考が広がった部分について書きましたが、他にもエンジニア採用に関する基礎的な情報を多く手に入れることができました。1、2時間ほどで読める資料なので、採用に関わるエンジニアはぜひ一度読むことをオススメします。